嫌い嫌い！ 大ッ嫌い！ 変わらぬ思い

「田代君と赤い糸で結ばれているのかなあって驚いているんだよ！　だから誤解しないでね！」

　智美は動揺もせず、落ち着いた口調で言う。

「分かってる分かってる。別に怒ったりはしないって」

　富沢さんが自分の思いを語る。

「智美が田代君とスッゴく仲良くやってるって知って私も驚いたし、何だか嬉しい気分だった。田代君が結婚するなら、志田智美にすれば良いのにって思ってたもんね。でも肝心の智美の方は既に既婚者だったから、無理だよねーって歯がゆい気持ちだったなー。ところが智美は本当は結婚なんてしていなかったって言うじゃなーい？」

「…」

　富沢さんの話しを聞き入る俺。

　智美が人妻で有るのは嘘だって事は既に富沢さんたちには俺から話していた。

　コイツと一緒になる事を事前に電話で連絡していた時に、智美の今の状況を話したのだ。