嫌い嫌い! 大ッ嫌い! 変わらぬ思い
 富沢さんは会話に割り込んだ。

 西谷さんを抱き寄せて小声で注意する富沢さん。

「敦子ったら、どうして不機嫌な顔をするのぉ!? せっかく田代君が声を掛けて来たんだから、ちゃんと受け答えしなさいよ!」

「別に不機嫌な態度なんか取っていないけどね」と西谷さんは否定的。

 俺が再び話しかけた。

「何だか変だよね? 気持ち的に穏やかじゃないみたいだし」

「私の心の内を、アナタからとやかく言われる筋は有りません。大きなお世話です」

「なーんでそんな、カッカしているのかな? せっかくの同窓会だろう?」

 …ったくぅ!

 …この馬鹿なオッサンは!

 西谷さんは呆れ顔でブツブツとつぶやき、更にため息を付いちゃう。

 ずっと、不機嫌な顔をしっぱなしなのだ。

「もうちょっと、笑顔で楽しもうよ」
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