嫌い嫌い！ 大ッ嫌い！ 変わらぬ思い

「富沢さんもそうだったけど…、志田さんも高校時代は俺の事、嫌っていなかったよね？」

「私は敦子と違って、人を嫌ったりしないから」

「でも志田さんも俺を軽蔑しているって事をクラスのヤツから教えられていた事が有ったんだけどね」

「私が？」

　志田さんは起き上がり、ベッドの傍のデスクに置いてある自分のペットボトルを手に取った。

「そう、君が」と俺。

　最初の頃はね…と言って、ボトルの水を軽く喉に流し込む。

「…私も田代君を軽蔑していたわよ。あんな男、サイテーだよって敦子から教えられていたからね。でも田代君と何回も接して、段々と見る目が変わっちゃった」

　俺も起き上がり、自分のペットボトルの水で乾いた喉を潤す。

「どう、変わったの？」

　俺の質問に志田さんは少し間を置いて答えた。