嫌い嫌い！ 大ッ嫌い！ 変わらぬ思い

　田代君本人が聞いたら絶対に怒るかもしれない非情な言い方である。

「でも田代君の方は敦子に、スッゴくラブラブだった」

　私がこう言うと、敦子ったら頭を抱えて不機嫌な態度を見せる。

「冗談じゃないわよ！　おかげで、コッチが大迷惑！」

「そんなに不愉快だったんだ？」

「ほーんと不愉快！」

「どう不愉快なのかなー？」

「私が今まで出会って来た色んな男たちの中で、もっともゲスなヤツかなー!?　ジロジロと私を見たりして気持ち悪かったし！　暗い雰囲気で反吐が出そうだったし！」

「今でもそんな思い？」

「もーっちろんだよ！　顔を思い出すだけで気分が悪くなっちゃう！」

「ふーん」

　敦子が田代君を嫌っている事を私は認識していたつもりだったけど、こんなにも酷いとはと改めて驚かされる。