魔法?そんなのありえないっ!?
はあはあ。
キキーッ!!
え?止まった…?
「急遽、場所変更。
悪りぃけど、今から城向かうぞ」
「はい?」
お城??
何それ、何の話?
って、返す私の言葉も
耳に入ってないし…
あ、まだ通話中か。
まぁ、スピード落ちてるから
許してやろう。
「あ?分かったよ!
今、向かってるって。
…はいはい、
だから俺が悪かったって!
また、それは後で聞くからっ」
……なんか、もめてた?
ていうか、怒られてた?
さっき、おじいさんが
この人の事忙しいとか言ってたし…
私を送り届けるのが
迷惑、なのかな。
「あ、そーだ。
お前、名前は?」
クルッと不意にこっちを
向いてニコッと笑う。
やめてよ、初対面の私に
そんな簡単に笑顔見せるなんて…
…私って自分の事だけ。
この人にはこの人の用事があるのに…
「ねえ。」
「ん?(それ名前?)」
「ここで、下りて。
私自分で行くからもういーよ」
「は?」
「だからっ、そんな速く
飛ばれても私が困るのっ!
だから、もう自分で行く。
下ろして。ありがとね」
「………。」
ぱちんっ
いたっ!!
え?デコピン??
「そんな不安そうな顔して
何言ってんだよ、お前。
ゆっくり飛ぶからそれでいーだろ」
ちょっ//
「そーゆう問題じゃない!
もう、下りたいの。下ろしてって!」
「…だから、こんなとこで
1人になんのが何でもねぇ訳
ねーだろーが。
別に、お前の事送り届けるぐらい
何の支障もねぇから安心しろ。
自意識過剰。」
「なっ!!!
何それ、酷いっ」
「おーおー、俺が悪かったよ。
で、お前名前は?」
あ…それを分かられてたって
すごくカッコ悪いんですけど。
なんか、敵わないな…
「私は…
三日月 蘭。
送り届けてくれるまで、
よろしく…//」