ズルい人
【回想】
「どこ行ってたんだよ!」
俺は階段から上がってきた真緒の肩を掴んだ。
「うるっさいなあ!どこだっていいでしょう!?」
真緒の肩に掴んだ俺の手をペシッと叩いた。
「あのさ、お前が他の男と歩いてんのをさっき見たんだけど」
「そ、それが何よ?別に浮気ってわけ…じゃないわ。その、仕事上の付き合いってものよ」
目がキョロキョロとしていて俺のほうを見ようとはしない。
言葉もたどたどしい。
明らかに動揺している。
やっぱり、浮気していだんだ。