ズルい人
「ふざけんなよっ!」
俺は怒りのあまり、真緒を突き飛ばした。
「きゃ……」
真緒は小さな悲鳴をあげ、そのまま階段を転げ落ちていった。
そして、ゴンと頭をぶつけた鈍い音がした。
真緒の頭から血が流れていく。
ポケットから小さな紙包みとメッセージカードが出てきた。
『広明へ
誕生日おめでとう。友達と一緒に探してみてプレゼントは財布にしてみました。気にいってもらえるかな?これからもよろしくね!
真緒より』
とメッセージカードに書かれていた。
明日は……俺の誕生日だった。
あれは俺のプレゼントを選ぶためだったんだ……。
「あ…あああっ」
俺はその場にしゃがみ込み、発狂した。