サヨナラは…
「美香また別れたの?」
「うん。振られた」
私はそう答えた
「なかなか見つからないね…
美香の運命の人!」
「そうだね」
私の唯一の友達
花園鈴【ハナゾノ レイ】
鈴とはこの高校に入ってから知り合った
『初めまして!』
『…初めまして。』
鈴と私は席が偶然隣同士だった
私はすでに変な噂がたっていたのでまさか話しかけられるとは思っていなかった
『私は花園鈴!アナタ山田美香よね?』
『そうだけど?』
それが何だって言うの?
じぃ~…
『何?』
『何か噂と全然違うね!』
だから何?
その時の私は少し苛立っていたから
素っ気ない態度をとっていた
『用がないなら話しかけないでくれる?』
『あるある!!私と友達になって!』
『え…』
それから鈴は私にしつこく話しかけるようになった
「美香~?」
昔の事を思い出していると美香が不思議そうな顔をして覗き込んできた
「ん?」
「何々??ニヤニヤしちゃって」
「ふふっ鈴と初めて会った
ときの事を思い出してたの」
私ニヤニヤしてたのか
頬が緩んでるのは分かってたけど…
「そういえば初めて会ったときは
美香って冷たい子だなって思ってた」
「ふ~ん
鈴って私のことそんな風に思ってたんだ」
と嫌みのように言ってみた
「え、ぁ違うんだよ?
思ってたけど今は思ってないよ!!」
鈴は焦ったように美香に弁解した
美香はそれを見てうつむいた
「ゔ…美香怒ってる?」
「アハハ怒ってないよ
鈴おもしろい!」
私は肩を震わせ笑った
「もぅ!!焦ったじゃん!」
「ふふふ鈴面白い」
今さらだけどあの時鈴に話しかけられてよかったと思う
じゃなかったら私は自分への噂や視線、態度に耐えられなかった…
鈴は私の大切な友達よ
「私もだよ」
「え?声に出てた?」
「うん!!バッチリ!」
恥ずかしい…
本人に言ってしまった
私は嬉しいような恥ずかしいような感情と頬のあたりが熱くなるのを必死に隠していた。