皇帝のサイコロ
「ショウです。青木昭」

「え!?」

お母様の目が点になった。

「青木くん!最後に見たのは小学6年生の頃だったわね。声も見た目も変わっちゃって!ごめんなさいね、気が付かなくて」

「いえ。急に慎の顔が見たくなって来たんですけど、仕事先の方へ行ってみます」

「ごめんなさいね、わざわざありがとう」

「はい、失礼します」

頭を下げて玄関を出る。

ここ周辺の景色も懐かしい。

もう一度この町へ戻ることになるとは思わなかった。

変わってなかったな、慎のお母様は。

「ごめんなさい」を何回言ってたんだろう。

今度話したときは数えてみよう。
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