皇帝のサイコロ
「あら、青木くん!」

「すみません、度々」

「どうしたの?どうぞあがって」

リビングに通された。

家具の配置は大きく変わっていないように思える。

昔はここでよくポテトチップスを食べながら慎とテレビゲームをしてたな。

「芋けんぴしかないけど、ごめんなさいね」

お茶と芋けんぴを用意してくれた。

「ありがとうございます」

「いえいえ。この芋けんぴね、特撰なの」

「いただきます」

やたらと長い芋けんぴ。

特撰とはこういう意味か。

うん、おいしい。
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