皇帝のサイコロ
同じ町内の、完成したばかりのマイホーム。

玄関のドアを開けると木の匂いが迎えてくれた。

そして妻・愛も。

「おかえりなさい」

「ただいま」

150cmと覚えやすい身長の、3歳下の妻。

リビングのソファに腰を下ろすと、愛も隣に同様に腰を下ろした。

「お友だちには会えた?」

「ダメだった。友人のお母さんと話し込んできたよ」

「そっか」

短い相づちをうち、僕の太ももを撫でてくる。

このサインは……。

「ねぇ、今晩したいな」
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