皇帝のサイコロ
目を覚ますと、既に愛はいなかった。

愛が居たはずの隣に手を置いてみる。

温かいような、そうじゃないような。

今さっき布団から抜け出した訳ではなさそうだ。

今何時かとケータイを見る。

8時1分。

そして知らない番号から着信が2件入っていた。

おそらく慎。

かかってきた時間は0時ジャストと0時5分。

「確実に寝ている」とメモ帳に書いたはずなのに。

まだ起きているかも、と試してみたのかもしれない。

……今は少し早いか。

10時を過ぎたらかけ直してみよう。
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