皇帝のサイコロ
カーテンから射し込む朝日で目が覚めた。

夏ということもあって、自然と早く目が覚める。

昨日の朝とは違って静か。

真実子の生活音が聞こえない。

当然、朝食も作られていなかった。

真実子の私物が綺麗になくなり、少し広く感じられるリビング。

「何食うかなー」

いつもは出ない独り言が口から出た。

作る気力もないので、食器棚の前にある買い物袋を物色する。

そして6個入りの丸いクリームパンを1つ、まるごと口に入れた。

シンとした部屋に嫌気がさし、テレビのスイッチを入れる。
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