皇帝のサイコロ
今日は風が強い。

少し肌寒く感じる。

カラオケ店の前で昭を待っていると、黒い短髪のやたらと大きい男が近づいてきた。

「慎?」

「昭!?久しぶり!変わったなー」

小学生の頃はクラスの中で背が低い方だったのに。

今は俺より7㎝ほど大きい。

ビュウッと一際強い風が吹き、髪が乱れた。

髪を直す昭の左手の薬指に、銀色に光る指輪があることに気が付いた。

「婚約指輪?」

思わず人差し指で指輪を差していた。

「残念。結婚指輪です」

「結婚!?」

「ま、風も強いしとりあえず入ろう。詳しいことは入ってから話すよ」
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