皇帝のサイコロ
「本当に本当か?」

『本当だって。家族に何か言われたのか?』

「言われては無いけどさ。昭が言ったんじゃないかってそればっかりが気になって、家族も疑いっぱなしで。うまく言えないけどさ、もう、もう、おかしくなりそうだ!」

半ば叫んでいた。

はあ、はあと息が乱れる。

落ち着かせるため足を止めた。

『どうしたい?これから』

その声は俺を試しているようだった。

「もうやめるよ。決心した。ちゃんと生きる。家族に隠し事をするようなことはやめる。だから、昭、力を貸してくれ……!」

懇願した。

これは本当に心の底からの声だ。
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