皇帝のサイコロ
父は続ける。

「就職じゃなくていい。バイトでもなんでもいい。明日、早速求人誌を取ってきて電話しろ。わかったな」

「はい……!本当に本当に!ごめん!」

涙が止まらない。

嗚咽も止まらない。

お父さんごめんなさい。

お母さんごめんなさい。

有紗もごめん。

プライドとか恥ずかしさとか考える余裕なんて無く、泣き続けた。

ふと鼻水をすする音に気づいて横をみると、有紗も泣いていた。

「なんで有紗まで、泣いてんだよ……」

「分かんないけど、もらい泣き」
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