皇帝のサイコロ
三冊も目を通すのはそれなりに疲れた。

通したわりに良いなと思うものは7件だけだった。

その切り取った7枚を見比べる。

比較的近いこのカレー屋さんにしよう。

時給もそれなりに高いし、もうここで良い。

書かれている電話番号を入力し、発信する。

3コールのあと、ガチャリと受話器を取る音がした。

「お忙しいところ失礼します。求人誌を見てお電話しました」

店員さんは担当の人と代わり、話がトントンと進んでいった。

「失礼します。……」

お互い切ろうとしないので自分から通話を切った。

ケータイのメモ帳に入力する。
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