皇帝のサイコロ
飲食店のアルバイトなのに気合いを入れてスーツ姿で行ったせいかなんなのか。

「明日から来れる?」

そう言われて即採用されてしまった。

信じられない。

嬉しい!嬉しすぎる!

受け答えも何を言ったのか覚えていない。

きっと思いだしたら恥ずかしさで死にたくなる。

嬉しくて嬉しくて駆け出したい気分になり、河原を全速力で走った。

他人に怪しいと思われてもどうでもいい。

――おめでとう!おめでとう!俺!!


ぜえぜえと息切れし、こんな寒い中だというのにうっすらと汗をかくほど走った。

自動販売機で何か買おう。
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