皇帝のサイコロ
ごくりと生唾を飲み込む。

お盆にそれを一つのせ、レジで150円を支払った。

外に出て買ったばかりのチーズパンを食べる。

焼きたてでパンがやわらかく、おいしい。

パンはおいしいし、バイトに採用されるし、今日はしあわせ続きだ。

足は自然と家の方向に向かっていた。


「ただいま」

「おかえり」

朝はお互いに何も言葉を交わさなかったため、母の返事が返ってきたことに驚きつつもにホッとした。

もう怒っていないのかもしれない。

リビングに行くと、母は布団に横になっていた。
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