皇帝のサイコロ
最初の1日目は皿洗い。

昼のピーク時と夜のピーク時は目が回るほど忙しかった。

食べ残しは残飯入れに放り込む。

こびりついたご飯粒や器に付いているカレーを落とし、隣にある水を張った流しに浸ける。

その流しが食器で溢れるほどになったら家庭用とは違う大きな食器洗い機の中に詰め込んでスイッチオン。

その間にもどんどん食器がやってくる。

食器洗い機で綺麗になった水浸しの食器を布巾で拭かなければいけないし、休む暇もないほどだった。

初日でめげそうになったが、最初は誰しもがそんなものだと言い聞かせて、なんとか2日目も足を運んだ。

そうして母の腰も治り、何度も通ううちに慣れてきて皿洗いから昇格して。

大晦日がきて年を越した。
< 92 / 106 >

この作品をシェア

pagetop