皇帝のサイコロ
週に一、二回とランダムな休み。

カレーの匂いに染まる日。

それを繰り返して、気づけばあっという間に1月下旬になっていた。


家に帰り、手渡された給料を確認する。
12万4950円。

あれからずっと1日500円作戦をしていたから、だいぶお金の重みが分かってきた。

もう二度と、「ただの一万円」だなんて発言はしない。

借金に対する考え方も変わってきたように思う。

「晩ごはんよー」

母の声に返事をし、階段を下りる。

今日の晩ごはんは寄せ鍋だ。

「牡蠣は?」

「入ってるわよ」
< 93 / 106 >

この作品をシェア

pagetop