皇帝のサイコロ
「怖いって?」

母が尋ねてきた。

「また親が借金を肩代わりしてくれるだろう、とかそんな考えでまたパチンコにはまってしまいそうなのもあるし、やっぱり自分がしたことだから責任をもって全部返したい」

「そうか」

父がそう呟いて大きく頷いた。

「分かった。これからわしはお前を見守るだけにする」

「うん。ありがとう」

父が「偉いな」と言って微笑み、ビールを一口飲んだ。

何故か俺の口にもビールのあの苦さが広がった。


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