マン喫LOVE
デスクと仮眠用のシングルベットの極小スペースで、


私はデスク、奴はベットでそれぞれ漫画を開いた。


しかし・・・・待ちに待った新刊が頭に入っていかない・・・・。


完全にプレッシャーだあんたが!



そうだ!悔しいけど奴にさっさと読んでもらいこっから追い出そう。



「あの・・・先読みます?」


パタン!と本を閉じ振り向いた。


「え?!マジ?いいの?わかったフルスピードで読むから!」


新刊を奪い取った奴が急はスイッチが入った。


面白いほどの喜怒哀楽が顔面で繰り広げられた。


取り合えず選んだ漫画よりはるかに面白い。


・・・・・にしても・・・・いい顔してるな・・・・


こりゃ・・・・抱かれたくなるわな・・・。


読んでいるふりして奴を観察した。


そして奴は涙を流し始めた。


目を閉じ深く息を吸い込み本を閉じた奴は


「いい話や~。ありがとうございます」


と深々と頭を下げ新刊を献上してきた。


漫画を読みふけるこの数分間の間で、私は普通の女になっていた。


・・・・・抱かれたい・・・・・


そんな事を考えてしまっていた。



「あ・・・・うん」


早く追い出してやろうと思っていたのに・・・・・


この本を受け取ったら・・・・・さよならか・・・・


受け取る前にdietペプシを口にした。


少し気が抜け甘ったるくなったペプシに酔ってしまいそうだった。


本を受け取ろうと手を伸ばすし、奴の手に触れた。


奴は急に手を引っ込め本をめくり始めた。


「ネタバレ。読む前にごめん。このシーンにマジ泣けた。


・・・・・再現する?」



主人公の彼が彼女と口づけを交わすシーン。



メガネを外した奴は、テレビで見る彼だった。









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