TABOO Ⅳ~熱いカラダ~ 


静かにドアを開けると、奥のベッドだけカーテンが閉められている。


椅子へ座るとすぐ、こもったような男子生徒の声に呼ばれたので遠慮がちに覗いてみると、布団の中から「体温計貸して下さい」と頼まれた。


机の上にあったのを見つけ「はい」と差し出すと、手だけがニュッと出てきたのでその上に乗せてあげると、


「きゃ…っ」


手首ごと掴まれ、すごい力でベッドの中へ引きずり込まれた。


何…!?


懸命にもがいて顔を上げると、シーツの波の向こうに見えたのはいつもの悪戯な瞳で…


「離してっ」


なんとか体を反転させた時、ドアが開く音がして2人とも動きを止めた。


誰かの足音と彼の息遣い、そしてすごい速さで動くあたしの心臓の音だけが聞こえる。


こんな体勢言い訳出来ない。


もしカーテンを開けられたら、と思うと気が気ではなかった。


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