TABOO Ⅳ~熱いカラダ~
緩んだ腕から勢いよく抜け出した後、今度は声を抑えずに「ふざけないで!」と怒りに震えながら振り返ると、彼があたしを見上げ言う。
「好きな女に触りたいと思っちゃいけないのかよ」
スキナオンナー…
呆然とするあたしを真剣な瞳で見つめていたけど、すぐに表情を崩した。
「嘘。彼女と間違えただけ」
「……」
「熱あんだよ。寝るから出てってくんない?」
そう言って向けた背中は、さっきまで強く抱き締められていたのが夢だと思うくらい、あたしを拒絶していた。