変わらない味【TABOO】

店は大忙しで、スタッフも手伝いに来てくれる彼氏の健斗も真剣そのもの。
バーだから、洗練されたパフォーマンスや雰囲気が重要になる。
今日は見かけない客が来た。
サングラスをかけ、紺色のシャツに黒い細身のズボン。
シンプルな格好で目も隠れているのに、彼に釘付けになる。
彼だけ異質に見えるほどのオーラが漂っている。
鼻と唇、骨格を見るだけで、彼の顔は綺麗だわかる。
閉店し、いつものように、一人で最後の後始末をしていた。