変わらない味【TABOO】
急にドアを開ける音がして、恐る恐る入口を見ると、釘付けだった彼がいた。
「お客様、お忘れ物ですか?」
サングラスを外した彼に、私は言葉を失った・・彼は神埼湊だ。
「時間外に来てごめん。君に会いたくて。昔ここによく母親と食べに来ていた「湊」なんだ」
髪をかきあげ、カツカツ足を鳴らしながら近づいできた。
私は驚きで声が出ない。
「君を見たら会いたくなった。昔も会いたかったけど、芸能界に入って来れなくなった」
カウンターに突っ立った私を背後から抱きしめ、首筋にキスをしながら、身体に触れてくる。
そして、私を正面に立たせ、カウンターに押さえつけた。
「ごめん・・彼がいても諦められない。俺はもっと前から椿を想ってた」
深いキスと愛撫に私の思考は麻痺してくる。
味が昔から変わらないように、彼も変わっていない。
綺麗な顔も色気も、わたしを見るまなざしも。
「また、来る」と彼は囁いた。

 
 
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