・*不器用な2人*・
第47章/初詣
めぐちゃんからあけおめメールが届いていた。
私もそれに返信をしてから支度を始め、7時半に家を出た。待ち合わせに指定されたのは、神社の近くのコンビニ前だった。
あそこならあまり人がいないだろうと、浅井君が終業式の際に提案してくれた。
コンビニへ行くと、まだほとんど人が来ていなかった。
浅井君が入口から少し離れたところに腰を下ろしていて、私を見るとパッと片手を上げた。
「あけましておめでとう、風野さん」
そう明るく言われ、私もお辞儀をして挨拶を返す。
「クリスマスは奇遇だったねー」
浅井君の言葉に一瞬彼と井上君のことを思い出してしまい、「そうだね」という声が上擦ってしまった。
チラホラとメンバーが集まり始め、指定時刻の8時には大体の人が集まっていた。
「木山がいないんだけど、誰か連絡もらった?」
梶君がみんなを見渡すと、その場にいた全員が首を振る。
「木山って欠席する時もアポなしだし、何処にいるかまったく分からないんだよな、いつも…」
浅井君が呆れたように言いながら立ち上がる。
「いいや、俺ら先行こう」
他のメンバーも次々と立ち上がり、浅井君に続いて歩いていってしまう。
梶君も戸惑った様子を見せたものの、彼らへと続いた。
「風野も一緒に行こう」
梶君に振り返られ、私は若干の不安を残しつつ彼らの後に続いた。
「梶は何お願いするの?」
浅井君に振り返られた梶君は「第一志望合格」と即答し、「1年早くね?」とみんなから言われて良い多。
「綾瀬ちゃんはお願い決まった?」
めぐちゃんに言われ、私は頷く。
みんなで一列に並びお賽銭を投げて柏手を打つ。
――今年もみんなで楽しく過ごせますように…。
そう心の中で呟きそっと顔を上げると、梶君も顔を上げたところだった。
目が合うと、笑いかけられる。
私も笑い帰しながら、列から外れた。
参道に並ぶ屋台を1つ1つ覗きながら、私たちはぶらぶらと歩く。
横を歩くめぐちゃんは先程から淳君とメールでやりとりをしていた。
「淳、今からでも合流できないの?」
浅井君に聞かれ、めぐちゃんは残念そうに「ムリみたい」と呟くと、ケータイをポケットにしまった。
それと入れ違いにケータイが鳴った梶君が、画面を見ながら「木山からメール」と呟いた。
「鳥居のとこまで来れたって」
やけに大きな鳥居は、屋台の隙間からもハッキリと見える。
人であふれかえっていて根もとは見えなくなってしまっていたけれど。
「私、迎えに行ってくる」
私がそう言うと、浅井君が笑った。
「すぐそこまで来てるんだからお迎えなんていらないって」
「そうだよ、迷子になったわけでもないんだし」
ケラケラと笑う彼らの言うことを聞かず、私は早足に人並みへと入りこんでしまった。
私もそれに返信をしてから支度を始め、7時半に家を出た。待ち合わせに指定されたのは、神社の近くのコンビニ前だった。
あそこならあまり人がいないだろうと、浅井君が終業式の際に提案してくれた。
コンビニへ行くと、まだほとんど人が来ていなかった。
浅井君が入口から少し離れたところに腰を下ろしていて、私を見るとパッと片手を上げた。
「あけましておめでとう、風野さん」
そう明るく言われ、私もお辞儀をして挨拶を返す。
「クリスマスは奇遇だったねー」
浅井君の言葉に一瞬彼と井上君のことを思い出してしまい、「そうだね」という声が上擦ってしまった。
チラホラとメンバーが集まり始め、指定時刻の8時には大体の人が集まっていた。
「木山がいないんだけど、誰か連絡もらった?」
梶君がみんなを見渡すと、その場にいた全員が首を振る。
「木山って欠席する時もアポなしだし、何処にいるかまったく分からないんだよな、いつも…」
浅井君が呆れたように言いながら立ち上がる。
「いいや、俺ら先行こう」
他のメンバーも次々と立ち上がり、浅井君に続いて歩いていってしまう。
梶君も戸惑った様子を見せたものの、彼らへと続いた。
「風野も一緒に行こう」
梶君に振り返られ、私は若干の不安を残しつつ彼らの後に続いた。
「梶は何お願いするの?」
浅井君に振り返られた梶君は「第一志望合格」と即答し、「1年早くね?」とみんなから言われて良い多。
「綾瀬ちゃんはお願い決まった?」
めぐちゃんに言われ、私は頷く。
みんなで一列に並びお賽銭を投げて柏手を打つ。
――今年もみんなで楽しく過ごせますように…。
そう心の中で呟きそっと顔を上げると、梶君も顔を上げたところだった。
目が合うと、笑いかけられる。
私も笑い帰しながら、列から外れた。
参道に並ぶ屋台を1つ1つ覗きながら、私たちはぶらぶらと歩く。
横を歩くめぐちゃんは先程から淳君とメールでやりとりをしていた。
「淳、今からでも合流できないの?」
浅井君に聞かれ、めぐちゃんは残念そうに「ムリみたい」と呟くと、ケータイをポケットにしまった。
それと入れ違いにケータイが鳴った梶君が、画面を見ながら「木山からメール」と呟いた。
「鳥居のとこまで来れたって」
やけに大きな鳥居は、屋台の隙間からもハッキリと見える。
人であふれかえっていて根もとは見えなくなってしまっていたけれど。
「私、迎えに行ってくる」
私がそう言うと、浅井君が笑った。
「すぐそこまで来てるんだからお迎えなんていらないって」
「そうだよ、迷子になったわけでもないんだし」
ケラケラと笑う彼らの言うことを聞かず、私は早足に人並みへと入りこんでしまった。