・*不器用な2人*・
「綾瀬はちゃんと6限まで受けてから帰って来なさいよ。
病気でもないのにサボったりしたら駄目だからね」
母親はそう何度も念を押してきた。
木山君はぐったりしたまま後方座席に座っている。
「お母さん、木山君は急に触ったら駄目だからね。
触る時は声掛けてからね」
私がそう言うと、母親は「良いから早く授業へ行け!」と珍しく怒鳴った。
本当に大丈夫なのだろうかと気になりながらも、私は6限目の授業に間に合うよう教室へと走った。
「綾瀬が遅れるなんて珍しいね」
めぐちゃんにそう言われ、私は肩をすくめた。
6限目は家庭科の授業の為、誰も先生の話なんて聞いていない。
ケータイやゲームを机の上に堂々と出して遊びっぱなしていた。
「木山君、早退だって」
私が言うと、ボーッとしていた淳君が急に振り返った。
「薫、どうしたの?」
「熱出て過呼吸に……」
そう言い掛けて私は言葉を切った。
「でも、家に連絡入れられるの嫌がってたから、結局私の親が迎えに来て私の家に行くことになった」
そう言いなおすと、淳君とめぐちゃんがほぼ同時に「マジかよ」と呟いた。
母親は真面目に授業を受けて来いと言ったものの、私は親の意に反して他の生徒たちと一緒に1時間を駄弁って過ごしてしまった。
結局先生も途中で諦めたのか、席に座ったままジッとしてしまい、授業は中断という形になっていた。
学校が終わると私はすぐに教室を飛び出した。
病気でもないのにサボったりしたら駄目だからね」
母親はそう何度も念を押してきた。
木山君はぐったりしたまま後方座席に座っている。
「お母さん、木山君は急に触ったら駄目だからね。
触る時は声掛けてからね」
私がそう言うと、母親は「良いから早く授業へ行け!」と珍しく怒鳴った。
本当に大丈夫なのだろうかと気になりながらも、私は6限目の授業に間に合うよう教室へと走った。
「綾瀬が遅れるなんて珍しいね」
めぐちゃんにそう言われ、私は肩をすくめた。
6限目は家庭科の授業の為、誰も先生の話なんて聞いていない。
ケータイやゲームを机の上に堂々と出して遊びっぱなしていた。
「木山君、早退だって」
私が言うと、ボーッとしていた淳君が急に振り返った。
「薫、どうしたの?」
「熱出て過呼吸に……」
そう言い掛けて私は言葉を切った。
「でも、家に連絡入れられるの嫌がってたから、結局私の親が迎えに来て私の家に行くことになった」
そう言いなおすと、淳君とめぐちゃんがほぼ同時に「マジかよ」と呟いた。
母親は真面目に授業を受けて来いと言ったものの、私は親の意に反して他の生徒たちと一緒に1時間を駄弁って過ごしてしまった。
結局先生も途中で諦めたのか、席に座ったままジッとしてしまい、授業は中断という形になっていた。
学校が終わると私はすぐに教室を飛び出した。