オレンジ
画面が発信中から呼び出し中に変わった。
と。
少し遅れて、
公園の滑り台の裏あたりから音楽が聞こえてくる。
えーりの着メロだった。
俺は電話を切った。
それから少し遅れて音楽が消えた。
間違いない、えーりだ。
そう俺は確信を持って、えーりの名前を呼ぶ。
「えーり」
「……」
返事は返ってこない。
シカトしているのだろうか。
俺はむかついて、ずかずかと歩みを進めた。
「えーり…!」
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