オレンジ



滑り台の空洞の中。


オレンジの光に照らされて見えるのは、えーりのすやすや眠っている顔。



滑り台の壁に背中を預けて、かばんを抱きかかえて眠っている。


横には、携帯。




「なんだよ…」


ホッと、力が抜けたようにしゃがみこんだ。



こんなところにいたんじゃん。



起こすため、えーりの顔を見ると涙の筋がある。


オレンジ色に反射して、新しい涙がキラリと光った。




こんなこと、前にもあった。


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