オレンジ
えーりが引っ越してきて、俺んちでご飯を食うようになって、まだ子供で、小さかった頃。
俺んちでご飯を食ってたとき。
えーりはどうしても親が恋しくなった。
でもご飯を作ってくれるのが母さんで。
それが気に食わなかったらしく、えーりは俺んちから飛び出した。
俺と母さんとねえちゃんは、えーりを捜しにいった。
あの時も、今日みたいなオレンジ色の空だった。
俺は公園の滑り台の空洞の中でえーりを見つけた。
親からもらったぬいぐるみを抱いて、泣いていた…。
「なんも、変わってねぇよ…」
俺はつぶやいた。
つぶやきに答えてくれるひとは誰もいない。
えーりの新たな涙が筋になった。