オレンジ



ちろりとしょーへーを見ると、あたしをあきれた顔で見ていた。


正確に言うと、あたしの体を見ていた。



あっ、そっか。ヘソ見えてるもんね。


女らしくないとかなんとか、いろいろ思ってるんだろうな。


でも色気っていう武器も、女にはあるんだ。



「ね、ねっ!しょーへー、恋の悩み聞いてくれる?」


「あー俺、相談とかむりっ!」


「わかってるけどー、聞いてっ」



あたしはむりやりとなりにしょーへーを座らせる。


できる限り密着してみた。




「名前は、言わないけどね。あたしの好きな男って、鈍感でお人よしで…

とりあえず、ばかなの」


思いっきりしょーへーのこと。



「…好きなひとのこと、こんなボロクソ言っていいわけ?」


「いいのーいいの。ほんとう、ばかなんだもん」



ほんとう、ばか。


自分のこと言われてるって気づけよ鈍感。




「あたしはね、けっこうわかりやすいアピールをしてるつもりなんだけど…

気づかないのよね。ばかだから」


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