オレンジ
まるで生活感のない家。
まるで、じゃなくて、ほんとうにないんだけど。
しょーへーはまだ支度が終わってなかった。
あたしはととと、と階段を上り、しょーへーの部屋に入る。
ノックがないのはいつものことだ。
今回は少し困ったけど。
しょーへーはぜんぜん着替えてない。
上半身裸でタンスの前。
「まだ着替えてないのー?早くー」
これでも一瞬、間を置いたのだ。
だってしょーへー、裸なんだもん。
「…これから着替えたいんですが」
「気にしてるの?」
あたしは、奥にあるベッドに腰掛けた。
じぃっとあたしはしょーへーを見る。
ただ見てるんじゃなくって、魅入っていた。