オレンジ
ただのヘンタイじゃんっ!なんて思わないで。
大きくなったしょーへーをかっこいいと思ってしまった。
また欲が深まるよ。
恋人どおしになって、それで…。
それで…、なんて甘い考えを。
「あたしたちの仲じゃん?裸とか、気にしないって」
こんなセリフ、すっごいドキドキしてるよ。
何もないフリしてるけど、裸なんて気にしないはずないし。
しょーへーは気にしているのか、あたしに背中を向けて着替え始めた。
「おっきくなったよね~」
「なんだよ。いきなり」
「べつにいきなりじゃないよ。会った時はあんなちっちゃかったのにさ」
「ちょっと、小さかったぐらいじゃん?」
「そうだっけ?」
意識しているわけじゃないんだけど、最近昔話が多い気がする。
なんでだろ…。
こんなしょーへーといる日々がなくなっちゃうんじゃないかと思ってるからかな。
「毎日泣き喚いてさ~」
「そのころはっ…まだ、子供だったんだよ」
泣き喚いたのは、ほんとうに最初のころ。