オレンジ


このまま、時が動かないで、ずっといっしょにいられたらいいのに。




□■□■



「よっし、家まで競争ね」


「はぁー?暑くてやだよ」


「アイス賭けよう!!」


「アイス…」


しょーへーの目が輝いた。


それを確認して、あたしは先に走り出した。



「よーい、どんっ」


ずるい、って言う声が後ろで聞こえた。


がざがざと音をたてて、あたしは全力疾走。


前に出した足に袋がぶつかって痛い。



まだ走り始め。


しょーへーを振りかえると、2つの袋を揺らして、やっと走り出したところだった。



あたしはますます楽しくなって、前を向く。


久しぶりのこの感覚は、昔の頃に戻ったみたいだ。

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