オレンジ


玄関に倒れこんで、大きく息を吸った。


ひんやりした床が気持ちいい。




「えーり、だいじょぶか?」


「久しぶりに走ったもーん」



心配そうに覗きこむしょーへーに笑顔で答えた。



「ん。持ってくから」


「ありがと」


しょーへーに買い物ぶくろを渡して、しょーへーはリビングに入った。


それを確認して、あたしは大きくため息をついた。





言われたことあるっけ。


『姉妹みたいだね』

って。



心配する兄と、甘えたの妹。


しょーへーから、あたしが離れられないんだって。

しょーへーがあたしに引っ付くよりも、あたしがしょーへーにくっついてるって。



つまり…。

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