オレンジ
必死にガードする自分の顔にあたしはレンズを向ける。
あたしも、必死に。
「撮らせてって」
「だからっ!」
しょーへーはあたしの手首をつかんで、そのままソファの背もたれに押し倒した。
嫌な予感は、当たった。
しょーへーは本気だ。
「誤解を招くことはしたくない。
えーりの好きなやつはえーりのこと好きなのかもしんないじゃんか」
「……誤解を招かないにはどうすればいいの?」
嫌だよ。
嫌だよ…。
しょーへーはあたしの手首をはなして、起きあがる。
あたしはしょーへーを見つめた。
やばい、泣きそう…。
「俺はなるべくお前に近づかないようにする」
「…むりだよ。あたし、晩ご飯食べに来れなくなる…」
どうしていきなりこんなことになったの?
泣きそうだよ。
涙目だよ。