オレンジ


ふわふわした服を揺らして、部屋の奥のベッドに腰掛けた。



「あたしたちの仲じゃん?裸とか、気にしてないって」


視線を変えることなく、えーりは俺の着替えを見る。



ヘンタイ女じゃんか…。



えーりに背中を向けて、俺は着替えた。


気まずいのは、俺だけなんか?



「おっきくなったよね~」


「なんだよ。いきなり」


「べつにいきなりじゃないよ。会った時はあんなちっちゃかったのにさ」



なにを考えてんだこの女は…。


最近、昔話が多くないかい?




「ちょっと、小さかったぐらいじゃん?」


「そうだっけ?」



着替え終わった俺は、えーりのとなりに腰掛けた。



とりあえず、昔話に付き合ってやることにする。




「毎日泣き喚いてさ~」


「そのころはっ…まだ、子供だったんだよ」



昔を思い出して、むくれてるえーりがおもしろい。


中学2年生の俺らは……ほんとに、子供だった。

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