オレンジ


きみへの思いと、涙。


もう涙はあたしが気づかないうちに筋になっていたのに。



「なんだよ…」



あたしの心臓は激しく鳴っている。

逃げ出してしまいたい。



なお狸寝入りを続けていると、オレンジの光がなくなって、暗くなった。


え、しょーへーなにしてるの。


あたしに影を落として、なにしたいの。



「なんも、変わってねぇよ…」


しょーへーは呟いた。


オレンジの公園に響いた。

あたしの心につきささった。



しょーへーがあたしの涙をふいてくれる。



ふるえそうだよ。ふるえてるよ。


あたしたち、なにも変わってない。

大人になっていってるだけなんだよ。


それでもきみが好きなんだよ。

< 70 / 81 >

この作品をシェア

pagetop