オレンジ
好きなんだよ。ばか。
「こんなに、近くにいるのに…」
近すぎて、あたり前になって、伝わらない想いだった。
となりにいるのに、透明で純粋なこの気持ちは届かなかった。
やっと、届いたんだね。伝わったんだね。
ただあなたが、好きなんだってこと。
体をはなして、目を閉じた。
ゆっくりと確認するように近づけたら、しょーへーの目も閉じられた。
優しくキスをした。
「好きなんだよ。ばか」
くっつきながら、オレンジ色の光を浴びていた。
オレンジ色の公園が、だんだんと暗くなっていくのを感じた。