オレンジ
その反動で、俺は持っていたモナカアイスを落としてしまい、少し冷静になる。
「ごめん。速すぎで。怪我…ねぇな」
「しょーへー、ヤキモチだったりするの?」
ボボッ、と俺の顔に火がともる。
えーりはなんでこんな恥ずかしいことをさらりと言えるんだ…。
「へへっ…」
えーりはうれしそうに微笑んだ。
やっぱり、かわいい。誰にも見せたくない。
俺はえーりを、俺の中に閉じ込めた。
俺の腕の中にすっぽりとはまるえーりは、
細くて、やわらかくて、甘くて、温かかった。
俺は力を緩めて、キスをしようと背をかがめた。