オレンジ
そんな俺に気づいているのかいないのか。
ただのKYなのか、謀っているのか。
「棒アイスの利点はね、安いこと、おいしいこと。
あたりが出ればもう一本なところ。それとね…」
えーりが俺の唇まわりのアイスをひとなめ。
俺はボボッと顔が赤くなっただろう。
「恋人どおしって、アイスを食べあいするじゃない?棒アイスは、やりやすいでしょう」
アイスの食べあい、なんて実際見たこともないし考えたこともない。
乙女思考の棒アイスだ。