初カレ
先輩はあたしたちに近づくと、



「おはよ!」



と声をかけた。



「夏帆ちゃん、昨日はメール返すの遅くなってゴメン!…ちゃんと顔見て謝りたくて」

「大丈夫、です」

「そっか!よかったーっ」


と先輩は言った。


「先輩!こう見えて夏帆はあのメール一生懸命悩んで作ってたみたいだし、先輩の連絡先、頑張って彼氏ってフォルダーに登録してたんですよ」

「ちょっと瑠海!!!!」

「いーじゃん、言ったって!…お邪魔なので先行ってまーす」



あたしが言い返す前に瑠海は走って行ってしまった。



「瑠海ちゃんだっけ?が言ってたのってマジ?」

「すいません!迷惑ですよね!すぐ直すので」



あたしは慌ててそう言った。



「直さなくていいよ!俺も彼女のフォルダーに登録しなきゃね」



と先輩は微笑んだ。
それを見てあたしの心臓がドキンと音を立てた。


それから途中まで先輩と一緒に歩いたけど、他の女の子の視線が痛かった。
< 10 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop