初カレ
「まさか!!!!」



渚はとても嬉しそうな顔をした。



「え…」

「嬉しい」

「引かない…の?」

「んなわけねーじゃん!」

「渚は女の子といっぱい付き合ってきたし…あたしみたいなのめんどくさくない?」

「いっぱいって…。めんどくさくないよ?」

「ほんとに?」

「ほんと。」

「何か、まだそういうのしてないって言ったら瑠海たちに意外って言われて…」

「うん」

「あたし、渚から見てそんなに魅力ないのかなって」

「それでぼーっとしてたの?」



うんとあたしは大きく頷いた。



「だったら付き合ってねーし」

「でも…」

「俺だってオトコだから、そういうことしたくなるよ」

「うん」

「だけど、夏帆のことは大事にしなきゃなーって思ってたの!」



汐里が言ってた通りだった。



「本当はいつも触れてたいなーとかキスしてーとか思ってるって」



渚はまっすぐあたしを見て言った。



「でもさ、夏帆はかわいいしそういうのしてると思ってた」

「違う…!!!今まで男の子と付き合ったりってしたことなくて。…渚が初めてなの。だけどそんなの渚に知られたら、引かれるかなって思ってて」

「…そっか」



渚は優しく笑った。



「そんなことじゃ引かないよ」

「うん」

「俺はこーんなに夏帆が好きなんだから」

「…うん」

「ね、夏帆」

「なぁに?」

「もう一回していいよね?」

「うん」



そう答えると今度はさっきより長めにキスをしてくれた。
< 43 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop