初カレ
いつものように4人でお弁当を食べながらおしゃべりする。
本当に下らないことだけどこの時間はとても楽しい。



「ね、夏帆。今度の今度こそなんかあったでしょ?」



汐里はこっそりあたしに言った。
さっさとお弁当を食べ終えた瑠海は5時間目は絶対当たる気がすると言って、柚夏にノートを写させてもらっている。
柚夏もそれに付き合っている。



「うん」



とあたしは言った。
キスしたこと、渚は汐里の言うように大切に思ってくれてたけど、あたしは自信がなかったことを話した。
汐里はうんうんと聞いてくれた。



「よかったね!あたしの言ったとおりじゃん」

「うん」

「でもまぁ、あの先輩が彼氏だと自信持てって言われても無理だよね」

「でしょー?」

「でも、先輩が夏帆を選んだんだから、ね?」

「なんか恥ずかしい」

「そうだ!夏帆がしたのは普通のキスだね」

「え?」

「キスにもいろいろ種類があるんだから」

「そ、そうなの?」

「大人のキスもあるんだから」

「おっ…大人?」

「ま、それはこれから経験するでしょ♪」



いたずらっぽく汐里は笑った。
知らなかった。
キスにもいろんな種類があるなんて。
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