初カレ
長い始業式も終わり、教室に戻る。



「さっき春海先輩となにしてたの?」



こっそり汐里に聞かれた。



「髪の毛変な風になってて教えてくれたみたい」

「へーっ!…ってか、夏帆と春海先輩って仲良かったっけ?」

「ま、まさか!!!!…何か今日朝、挨拶されたんだよね。初めて話したしよくわかんない」

「ふーん…なんかありそう♪」

「そんなわけないじゃん。春海先輩だよ?」



なんて話していると、



「ギャーーー!!!!!」



と女の子の悲鳴が上がった。




「名波夏帆ちゃんいる?」



声の主は先輩だった。
みんなが一斉にあたしを見る。



「は、はい…います…けど」

「ちょっと、いい?」



そう言うと先輩は教室を出るように促した。



「いってらっしゃい♪」



汐里に言われて、あたしは教室を出る。
一瞬静まったクラスが、あたしが教室を出たあとまた騒がしくなった。
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