初カレ
｢よっしゃー！優勝めざすぜ!!!!｣



爽やかに晴れたグランドで夏川くんが叫ぶ。
他のクラスの人たちも、それぞれいろんな競技の練習をしていた。



しばらくしてみんなを見ると、瑠海と夏川くんはギャーギャー騒ぎながらも上手くやってるみたい。
あんなに不安がってた柚夏も、南条くんが上手く合わせてるようで和やかな雰囲気だ。
汐里と朝霧くんはあんな感じだから、早々にお互いのタイミングが掴めたみたいだ。



(やばいなぁ…)



内心あたしは焦っていた。
と言うのも、あたしが波崎くんにくっつくことができないのだ。
競技だとはわかっていても、渚以外の人とくっつくなんてしたことがないし、どこかで渚とじゃなきゃくっつきたくないと思ってしまう。
また、タイミングが合わなかった。



｢ごめん…｣

｢いいよ、初日なんだし気にすんなって｣

｢ごめん…｣

｢謝るのナシな｣



あたしはただただ波崎くんに謝るしかできなかった。
そしてあっという間に練習初日は終わってしまった。
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