初カレ
「翔…っ!」

キツそうに朝霧くんがタスキをあたしたちに渡した。

「夏帆っ!頑張って‼」

汐里が後ろで叫んでた。

あたしは必死に波崎くんにつかまって、ひたすら走った。
波崎くんもあたしに合わせつつも上手く引っ張ってってくれる。

(あと少し!絶対負けたくないっ…‼)

あたしはそれだけを思ってゴールまで向かった。

「きゃーっ!やったぁ‼」

気づいたら、あたしたちはトップでゴールしていた。

「ほんとに?…やったぁ‼」

正直、なかなか上手くいかなかったから、一位になれるなんて思っていなかった。
だからうれしさが倍にも感じられた。
久しぶりにこんなに走ったから、苦しいんだけど、でもそれも気持ちいい。
< 71 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop