初カレ
「あたし、渚のこと怒らせちゃったんじゃないかってずっと思ってたよ!」

「違うよ」

「でも、何でか理由がわかんなかったから…」

引っかかってたことが解決してほっとしたのか、涙が出そうになった。

「ごめんね、夏帆。俺、あいつと夏帆がくっついちゃうんじゃないかって考えちゃってさ」

「そんなわけ…‼︎」

「いやさ、練習してる2人見てたら似合ってんなーって。俺は夏帆とは学年も違うし一緒に競技することもできないし…。正直焦った」

ニカっと笑って渚は言った。

「渚がそんな風に思っても、あたしが好きなのは渚だけだもん!」

あたしはそう大きな声で言った。
一瞬渚はびっくりしたような顔をしたけど、すぐに眩しいくらいの笑顔を見せてくれた。

「だよな!何焦ってんだろ、俺。かっこ悪っ…」

渚はちょっとだけ顔を赤くした。

「俺も、好きなのは夏帆だけ」

そのあとすぐそう言ってあたしを抱きしめてくれた。
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